塾講師が教える!中学生の数学がぐんと伸びる自宅学習のやり方
「塾がない日は家で集中できない」「教材が多すぎてどれを選べばいいかわからない」
――そんな声を、日々の授業でもよく聞きます。
数学は積み重ねの教科。
毎日の勉強習慣が力をつくりますが、やみくもに問題を解いても成果は出にくいものです。
この記事では、塾講師である私が、中学生の皆さんと保護者の方に向けて、自宅でも効率よく数学を学べる教材・ツール・学習環境の整え方を紹介します。
どれもすぐに取り入れられるものばかり。
今日から実践できる工夫で、数学を「苦手」から「得意」へ変えていきましょう。

第1章:まずは教材選びから始めよう
教科書・学校ワークを最大限に活用する
最初の一歩は、学校で使っている教科書とワークの復習です。
授業と同じ流れで進むため、理解の抜けを確認しやすいのが利点です。
おすすめは「例題をもう一度解き直す」こと。
解答を見て終わりではなく、手を動かして再現できるまで取り組んでみましょう。
ただし、学校ワークは答えがついていないことが多いですよね。
そんな時は、市販の「教科書ガイド」を使うと効率が上がります。
少し値は張りますが、家庭学習の心強い味方になります。
市販の問題集を選ぶコツ
市販の問題集は種類が豊富で、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。
選び方のポイントは「6〜7割くらいは解けそう」と感じるレベルを選ぶこと。
簡単すぎると手応えがなく、難しすぎると続きません。
【基礎固めにおすすめ】
- 『ひとつひとつわかりやすく』シリーズ(学研)
- 『とにかく基礎』シリーズ(文英堂)
【応用力アップにおすすめ】
- 『ハイクラステスト』(受験研究社)
- 『最高水準問題集』(文英堂)
難関高校を目指す生徒には応用問題集も有効ですが、まずは「基礎→標準→応用」と段階を踏むのが確実です。
焦らず、少しずつレベルを上げていきましょう。
自作ノートで“わかる”を形に
問題集で得た知識を整理し、自分だけの「まとめノート」を作ってみましょう。
特におすすめなのは、公式まとめノートと間違い直しノートです。
- 公式まとめノート:単元ごとに公式や要点を整理。色分けや図解を入れて、見やすく工夫します。
- 間違い直しノート:間違えた問題だけを集めて、1週間後に再挑戦。自分の弱点が一目でわかります。
書きながら考えることで、記憶にも定着しやすくなります。
「書くこと」は立派な復習のひとつです。
第2章:学習効率を上げる!おすすめ文房具5選
方眼ノート・ルーズリーフ
数学におすすめなのは5mm方眼ノート。
図形やグラフがきれいに書け、計算式のズレも防げます。
コクヨのキャンパスシリーズは定番ですが、ダイソーの方眼ルーズリーフも使いやすく、コスパも良好です。
定規・コンパス・分度器
作図や角度の問題に欠かせない道具です。
中1で学ぶ作図問題では特に重要。
ペンケースに常備しておくと安心です。
コンパスはペンケースに収まるスリムな形のものもおすすめです。
ルーズリーフ+バインダー
バインダーを使うと、単元ごとにページを差し替えられ、復習がしやすくなります。
授業や家庭学習で使ったページをまとめ直すことで、整理する力も育ちます。
カラーペン・ふせん
色を使って情報を整理すると、理解が深まります。たとえば、
- 公式や定義は青
- 注意点は赤
- 自分のメモは緑
と色を分けると、見返すときに重要な部分がすぐに目に入ります。
小さなふせんを使って、よく間違える問題のページをマークしておくのもおすすめです。
第3章:スマホも“味方”に!勉強アプリの活用法
スマホは誘惑も多いですが、上手に使えば強力な学習ツールになります。
問題を解く・理解するアプリ
Photomath(フォトマス)
数式を撮影すると、解き方の手順を表示してくれるアプリです。
ただし、高校〜大学レベルの解法が出ることもあるので、「考え方の確認」に使うのがポイントです。
スタディサプリ
短時間の動画で授業の内容を理解できる学習アプリ。
塾で習った内容の復習や、授業の予習にも活用できます。
動画は5〜10分と短く、通学時間や休憩時間にもぴったりです。
時間管理アプリで集中力アップ
勉強時間を「集中」と「休憩」に分けることで、効率が上がります。
おすすめのアプリはこちら。
- Focus To-Do:25分集中+5分休憩のリズムで学習できる
- Forest:スマホを触らないと木が育つゲーム風集中アプリ
- 試験タイマー:過去問を時間内で解く練習に便利
スマホをうまく活かして、勉強の質を高めていきましょう。
第4章:集中できるデスク環境を整えよう
ホワイトボードとブックスタンド
机の上はシンプルに保ちましょう。
ホワイトボードに「今日やること」を書き出すと、頭が整理され、集中しやすくなります。
ブックスタンドを使えば姿勢が良くなり、長時間の勉強でも疲れにくくなります。
デスクライトと姿勢
暗い環境では目が疲れてしまいます。
LEDライトなど、明るくて目に優しいライトを使いましょう。
姿勢も大切です。背筋を伸ばし、机と体の距離を保つだけで集中力が変わります。
家族のサポートも大切な環境の一部
自宅学習は一人では続けにくいもの。
保護者の方が「がんばってるね」「今日はどこまで進んだ?」と声をかけるだけで、子どものやる気が変わります。
小さな応援が、大きな力になるのです。
第5章:今日からできる!自宅数学学習ルーティン
学習を続けるコツは「量より習慣」。
短時間でも、毎日続けることが大切です。
ここでは、塾でも実践しているおすすめの学習ルーティンを紹介します。
平日(30〜60分)
- 学校ワークの復習(10分)
- 問題集で練習(20分)
- 間違い直しノートを確認(10分)
- 1日1題チャレンジ(5分)
休日(90〜120分)
- 公式ノートのまとめ(15分)
- 応用問題に挑戦(30分)
- スタディサプリで動画復習(20分)
- 進捗チェック(10分)
完璧を目指すよりも、「昨日より1問多く解けた」を積み重ねましょう。
できた日にはカレンダーにチェックを入れて、自分の成長を目で見える形にすると達成感も生まれます。
まとめ:道具×習慣×環境で数学は伸びる
数学の力は、センスではなく仕組みで伸ばせます。
- 教材 … 自分に合ったレベルを選ぶ
- 習慣 … 毎日少しずつ続ける
- 環境 … 集中できる空間を整える
この3つを意識するだけで、学習効果は驚くほど変わります。
「公式を覚える」「問題を解く」だけでなく、考えることを楽しむことが大切です。
自分の力で答えを導けた瞬間の喜びは、きっと他のどんな教科にも代えがたいもの。
今日から、自分に合った方法で“数学を味方にする勉強”を始めてみませんか?





