中学3年間の数学を1冊で? まとまった問題集のメリットと落とし穴

「中学1〜3年の数学をまとめた問題集を探している」という相談をよく受けます。

確かに、1冊にまとまっていると便利そうに見えますし、「これさえやれば大丈夫!」と思いたくなる気持ちもよくわかります。

しかし、こうした問題集には向き・不向きがあるのも事実です。

特に、分厚すぎる問題集薄すぎる問題集、さらには「1週間で完成!」のような短期間仕上げの問題集には注意が必要です。

今回は、それぞれの特徴やデメリットを解説しながら、どのような問題集を選ぶべきか考えてみましょう。

3年分の問題集、どんなものがある?

「中学1〜3年の数学まとめ」と銘打たれた問題集には、主に以下のような種類があります。

  1. 参考書+問題集のタイプ
    • 解説が詳しく、学び直しや独学に向いている
      初めて学ぶ内容でも理解しやすい構成になっていることが多い。
    • 例題と基本問題が中心で、演習量は少なめなため、追加の演習が必要になることが多い。
      特に応用問題や実践的な演習が少ないため、より深く理解するには別の問題集と組み合わせるのが効果的。
  2. 問題演習メインのタイプ
    • 基礎から応用まで幅広い問題を掲載しており、体系的に学習できるように構成されている。
      単元ごとにバランスよく配置されているため、段階的にレベルアップしながら学習を進めることができる。
    • 分厚いものが多く、スケジュールを立てて継続的に取り組む必要がある
      一度に多くの範囲を学べる反面、計画的に進めないと途中で挫折してしまうこともあるため、ペース配分が重要になる。
  3. 受験用の総仕上げタイプ
    • 実践的な問題が多く、受験前の総復習に向いている
      入試本番を意識した問題が多く、時間配分や問題の解き方のコツを身につけるのに役立つ。
    • 解説が少なめで、ある程度の基礎力が必要
      基本的な理解ができていないと、解説を見ても十分に納得できないことがあるため、補助的な教材と併用すると効果的。

こうした問題集は、目的に応じて選ばなければ効果的に活用できません

分厚すぎる問題集の落とし穴

ここでは、分厚い問題集のメリットとデメリットを考えてみます。

メリット

  • 1冊で広範囲を網羅できるので安心感がある。
  • 復習用として使いやすい

デメリット

  • ボリュームがありすぎて途中で挫折しやすい
  • 1つの単元の問題数が少なく、演習不足になりがち
  • ページ数が多いと見返しづらく、学習効率が落ちる

分厚い問題集は「とりあえず持っておくと安心」という気持ちになりがちですが、実際には最後までやりきれず、中途半端になってしまうことが多いです。

薄すぎる問題集の落とし穴

では逆に、薄い問題集ではどうでしょうか。

こちらも考えてみました。

メリット

  • 手軽に学習できる
  • 重要ポイントが絞られている

デメリット

  • 問題数が少なく、定着しにくい
  • 簡単すぎて実力がつかないことがある。
  • 「まとめ」だけでは実際のテストや入試で通用しにくい

薄い問題集は一見取り組みやすく見えますが、演習量が不足しがちです。

「とりあえずやった」という自己満足に終わらないように注意が必要です。

「1週間で完成!」系の問題集に注意

最近は「1週間で完成!」「10日で総復習!」といった短期間仕上げの問題集も多く見かけます。しかし、こうした問題集には以下のような注意点があります

「1週間で完成!」系は、基礎がしっかりできている子向け!

  • すでに基礎が身についている子なら、短期間で総復習が可能。
  • 限られた時間で仕上げるには向いている。

基礎が不十分な子には不向き!

  • 短期間では理解が追いつかない
  • 解説が簡潔すぎて、つまずいたときに戻るのが難しい
  • 演習量が不足しがちで、定着しない。

「1週間で完成!」系の問題集は、あくまで仕上げ用と割り切って使いましょう。

基礎が固まっていない状態で取り組むと、「分かった気になる」だけで本番では解けない、ということになりがちです。

どう選べばいい? おすすめの考え方

では、どんな基準で問題集を選べばいいのでしょう?

こちらもまとめました。

  1. 目的に応じて選ぶ
    • ざっくり復習したいなら薄めの問題集でもOK。
    • 実力をつけたいなら、分野ごと・学年ごとに分かれた問題集を活用。
    • 「網羅したい」なら、分厚い問題集に加え、演習量を補える教材を組み合わせる。
    • 短期間で仕上げる系は、復習用と割り切る。
  2. 中学3年間を1冊で済ませようとしない
    • 3年間分を1冊でまとめるのはそもそも無理がある
    • 「学年ごとに分かれた問題集」や「単元別の問題集」と併用する方が学習効果が高い。

まとめ

「1冊にまとまった問題集」は便利ですが、使い方次第では逆効果になります。

特に「1週間で完成!」系の問題集は、基礎がしっかりできていないと難しいです。

自分の目的に合った問題集を選び、必要に応じて追加の教材を活用しましょう。

結局、1冊で完結しようとせず、段階的な学習が大切です!

問題集選びで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!